わが国の保険診療を中心とした社会保障制度は、公平性を重視する一方で、医療アクセスの不均等が存在し、個々の患者ニーズや地域ごと、特に地方エリアでの柔軟な対応が難しい場合があります。
また、画一的な医療コンテンツ提供体制により、患者満足度の低下や医療制度に対する信頼の希薄化を招く可能性があります。
今後、超高齢化社会の進展や先進医療技術の発展及び医療テクノロジーの進化が、社会保障財政における医療費のさらなる増加を招くと想定され、公的財政の持続可能性を揺るがし、わが国による医療費の包括的補償が制度的な限界を迎えることで、医療費負担の一部を民間に依存すること、又は診療報酬制度の適正化を加速させる必要があると考えられます。
このような社会構造の変化を背景に、既存の医療機関運営においては、画一的・標準化された医療提供モデルからの転換が求められており、各医療機関は新たな価値創出に向けた変革フェーズに入っていると、当社グループは認識しております。
一方、標準化された医療提供体制には複数の構造的課題が存在しており、これらに対しては、部分的な改善にとどまらず、運営モデルそのものの見直しが不可欠となっています。
当社グループは、こうした課題に対し、前例にとらわれない事業設計と実行力を強みとして、以下のような短期的・中長期的戦略を推進しております。
GROWTH STRATEGY
フェーズ1成長戦略
①当社ウェルネスプラットフォームの利用患者拡大と、地域医療の質向上を通じた健康寿命の延伸
- ウェルネスプラットフォーム創出数:102拠点(2025年12月現在)→3年で124拠点へ拡大
- 医療機関開設数:383施設(2025年12月現在)→3年で563施設に増設
- 関東圏・地方エリアへの展開加速
②医療機関運営基盤を再定義し、医療費支出構造を適正化するウェルネスプラットフォームで、新たな社会インフラを創出
- Web予約から受診までをワンストップ提供
デジタルデバイスを利用し、受診予約からWeb問診・受診・医療費決済までオンライン完結できるシステムを構築し、患者がシームレスに医療サービスを受けられる環境を提供することにより、医療アクセスの向上、診療効率化、患者の負担軽減、疾病の早期発見・重症化予防を実現します。
- かかりつけ薬局の処方薬宅配サービス
かかりつけ薬局を中心とした処方薬の宅配サービスを提供し、患者が日常的に利用する調剤薬局から自宅に直接処方薬を届ける仕組みを構築することにより、通院が難しい患者でも適切な服薬管理を継続できる環境を整備し、医療アクセスの向上と治療の継続性を実現します。
- 医療送迎バスの運行
ウェルネスプラットフォームを発着地とする送迎バスを運行することで、移動手段が限られる患者の通院をサポートし、医療機関へのアクセスを向上させることにより、特に高齢者や交通手段が限られる地域の住民が適切な医療を受けられる環境を整備し、医療連携シャトルとして持続可能な移動モデルを確立します。
- パーソナライズド・ウェルネスの提供(大阪大学との共同研究)
対面診療時の検査結果やオンライン検査の結果を元にしたウェルネス関連商品提案や生活習慣のアドバイス等を提供することにより、患者一人ひとりの健康データに基づいたパーソナライズド・ヘルスケアソリューションを提供します。なお、このソリューションは、大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻情報統合医学講座皮膚科学教室との共同研究により構築し、科学的根拠に基づいた医療・健康サポートを実現します。
EXPANSION STRATEGY
中期的拡張フェーズ戦略
当社はウェルネスプラットフォーム創出を継続的に拡大しつつ、これらにオンラインが融合する医療イノベーションモデルOMO(Online Merged with Offline)によりその最適解を社会に還元していきます。
- 過剰診療の兆候をリアルタイムで分析し、診療報酬体系の適正化を促進
- 医療従事者が直感的に操作できるUXを備えたDXプロダクト開発
- 電子版お薬手帳による服薬情報の可視化と薬剤師・ドクターの連携体制の強化
- 医療経営を支える非診療収益モデルの導入とBPO・RPA等の業務支援
- プライマリケア医と専門医の連携を促進するウェルネスハブの形成
- 患者の行動変容を促す医療リテラシー教育と自己健康管理支援ツールの開発
- 処方箋中心から脱却した、予防・栄養・運動・メンタル支援等の機能統合
これら最適解を具現化する当社グループのウェルネスプラットフォームは 、地域医療単位のマーケットにフォーカスし、競合医療機関の配置状況、患者数の動態、設置されている高度医療機器の環境、患者の来院動線・アクセス手段等を含む多角的なデータを分析したうえで、各地域に最適化した医療・ウェルネスの提供体制を構築するものです。これにより、医師と患者の中長期的な治療パートナーシップの形成を支援するとともに、地域ごとの特性に即した持続可能な医療モデルを実装し、次世代の地域医療ランドマークとなるウェルネスプラットフォームの戦略的拡大を推進してまいります。